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虚々実々『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』紹介

Q:アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

 

A:

 

※ネタバレは設定とあらすじ程度です。

あらすじ

主人公リック・デッカートは、脱走したアンドロイドを狩る賞金稼ぎバウンティ・ハンターとして生計を立てていた。

 

第三次世界大戦の後、放射性物質の効果の影響で生き物がほとんど死んでしまった。

いまだ地球に暮らす人々は電気仕掛けの模造品ではない、本物の生き物を欲しがった。

 

デッカート刑事はとてつもなく高価になった本物の生き物を買うため、6人のアンドロイドを狩りに行く。

 

人とアンドロイドの境界を描くSF作品。

出版年は168年 ページ数は320

 

原作者紹介

原作者はフィリップス・K・ディック

フィリップ・K・ディック

出身はアメリ

他の著作に『高い城の男』など

 

魅力紹介

精巧な世界観

ムードオルガンで目を覚まし、ダイアルを調節して、自分好みの気分に浸る。

主人公は電気羊を飼っていて、それが模造品だという事を隠している。

 

人類は火星の植民活動に勤しんでいて、地球には放射性の灰が降る。

 

アンドロイドが植民活動を手伝っているが、脱走する個体もある。

主人公は脱走したアンドロイドを狩るハンターだ。

マーサー教という新しい宗教まである。

 

1968年に書かれたものとしては本当に設定が新しく精巧です。

この設定を追うだけで面白いです。

作りこまれた世界観がこの作品の魅力でしょう。

 

虚実入り乱れる。

アンドロイドを見つけ出そうとするリック・デッカート刑事。

アンドロイドか人間か判定する検査方法を持っているのだが……。

 

アンドロイドを人間と判定してしまう可能性が示唆されます。

 

さらにアンドロイドは記憶移植によって自分を人間だと思い込んでいることがあるとか。

 

果たして目の前の”それ”は人間なのかアンドロイドなのか。

 

こう言った虚実のハザマに身を置くのが本作の面白い所。

ヒヤリとするような描写も見事。

 

濃密な1日

本作は1人のハンターと6人のアンドロイドの命がけの駆け引きが続くのですが、このお話はたった1日の出来事を書いています。

 

精密な世界観と、ひりつく展開。

読み終えたころには疲れているかも。

 

読者は内容の濃い1日を追体験することになります。

 

 

まとめ

フィリップ・K・ディックが送る虚実入り混じる、境界線の曖昧なSF作品。

 

主人公リック・デッカート刑事と共にアンドロイドを狩る濃密な1日を追体験してみてはいかがでしょうか?

 

SFアクションとしての面白さもありますが、人とアンドロイドの違いについて深く考えてみたい人にもオススメです。

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